子どもの「ほめ方」とは?それは今あるいいところを見つけること!

目次

子どものほめ方にはポイントがあります

自己肯定感を育てるためには、「ほめる」ということも大切です。

しかし、子育てに一生懸命な親としては
「ほめて育てたいけど、ほめるところが全然ない。」
「周りの子と比べると、我が子の成長の遅さが気になり焦ってしまう・・・。」
と思ったりしませんか?

もちろん一生懸命でいることでイライラしてしまうことも多いと思います。

ところが、一見ほめるところがないような子でも少し見方を変えるだけで、ほめられるところ、いいところが結構発見できるんですよ。

そのポイントは、
「いいことをしたらほめる」
「がんばったらほめる」
ではありません。

今の子どもの中にすでにある、
「いいところ」
「がんばっていることろ」
を見つけていくということなのです。

では、そのコツをいくつか紹介しましょう。

できた1割をほめる!

10のうち、子どもが1しかできなかったとき、
「なんで1しかできないの!」
「あとの9はどうしてできないの!」
と言ってしまうことはありませんか?

つまり、できた1をほめる言葉はでてきません。

ここで考えてほしいのが、10のうち、できたのは0ではないということです。
1はできているのです。

ところが、2割できたとしても、3割できたとしても
「どうして〇〇割はできないの!」
と否定的な言葉しか出てきません。

まったくできていないわけではないのに、
「自分は全然だめなんだ・・・。」
とやる気をなくしてしまう子が多いのは、このようなところに問題があるのではないでしょうか?

たとえば、子どもがテストで60点をとってきたとします。
その時、まず目が行くのは間違ったところですね。
そして、
「どうしてここを間違えたの?」
「こんなこともわからいの?」
と言ってしまいます。

聞く側の子どもとしては否定の言葉の連続です。

しかし、60点はとれているんです。
4割は注意されたとしても、6割はほめてもらってもいいのではないでしょうか?
それでこそ正当な評価ではないでしょうか?

もっと言えば、自信が持てない子、自己肯定感の低い子は、できなかった4割は問題にしないで、できた6割をしっかりとほめていく。
「ここちゃんとできている!」
「こんなこと、わかるんだね!」
「けっこう難しい問題もできてるね!」
とほめることで、
「自分はやればできるんだ!」
とうれしくなり、さらに勉強に対する意欲が生まれ、結果としてできなかった4割も克服するようになっていきます。

やらない時は放っておく。やったときにすかさずほめる!

子どもをほめる時には大切なポイントがあります。
それは、
「やる時とやらない時があったら、やった時に確実にほめる!」
ということです。

たとえば、後片付けやお手伝いは、やる時とやらない時があります。
(ほとんどはやらないことが多いですよね・・・)
つまり子どもの行動にはムラがあります。

私たちは、ついついやらない時に叱っていませんか?
逆にやってくれた時に、何か声をかけることがありますか?

これでは子どもにとっては何か行動をした時は、「叱られた」ことしか頭に残りません。

それを反対にしてみましょう。

何もやらない時は、何も言わない。
何かやったときは、すかさずほめる。

「今日はお片づけ手伝ってくれたね、えらいね!」
「洗い物、流しまで運んでくれたの!ありがとう!」
とすぐさま、ほめるのです。

そうした方が、いい行動が身につく早道になるのです。

理想を少し下げてみる

「こんなふうに育ってほしい」
「こんな子になってほしい」
と私たち親は子どもに期待をしています。

子どもも親のその思いに答えようとがんばって成長していきます。
もちろんこれは大切なことです。

しかし、その期待が子どもの現状と比べて大きすぎる場合もあります。
そうすると子どもも大人も窮地に追い込まれ、
「期待通りにいかない・・・」
「裏切られてばかり・・・」
ということになり、
「どうしてこれくらいわからないの!」
「こんなこともできないのか!」
「何をやってもダメなんだな!」
というネガティブなことを言う結果になってしまいます。

子どもに対して、否定的な言葉が多くなり、子どもも自信を無くしていると感じた時は、その要求のハードルを思いきって下げてみましょう。

「できてあたり前」を「できなくてあたり前」にレベルを下げてみるのです。

そうすることで、
「まあまだ子どもだから無理だね。」
「まだ幼稚園だからできなくて当然ね。」
と思うようになります。

そうすることで、たまにできた時、
「すごい、できたね!」
となります。

子どもへの要求のハードルを下げることで、腹も立たなくなるしイライラもなくなります。

親にも同じことが言えると思います。
「親なんだから、これくらいできて当然。」
「親なのに、そんなことも知らないの。」
と言われるより、
「まだ新米ママなんだから、できなくて当然よ!」
「毎日が大変なんだから、そのうちわかるようになるわよ!」
と言われる方が、プレッシャーもなくなるし、前向きな気持ちになると思いませんか?
子どもだって同じことなんです。

よその子と比較するより、少し前より成長したところを見つける

「うらやましいわ、あの子はあんなにいい子なのに。」
「少しはあの子を見習ってちょうだい。」
私たちは、ついついよその子と比較をしてしまいます。

親としては、
「ほかの子と同じように、いい子になってほしい。」
という願いがありますが、子どもはそんなことを聞いてはくれません。

「そんなにいい子がほしかったら、あの子と交換すればいいじゃん。」
「この家は、自分じゃない方がよかったんだ。」
「自分はいらない子なんだ。」
と思ってしまい、やる気をなくしてしまいます。

子どもの成長には個人差もあり、それぞれ家庭の環境や事情もあるので、簡単に比較はできるはずありません。
比較をするなら、以前の我が子と比べてみましょう。

子どもは少しづつでも成長しています。
「1年前はできなかったことが、今ではできている。」
「少し前では理解できなかったことが、今はわかるようになっている。」
ということが必ずあります。

それを顕在化することで子どもの成長が確認できます。
それを伝えていけば、やる気を出してさらに成長していくはずです。

こんな子は失敗をほめる!

最近の子どもの中には、大人の気持ちを理解しようとして、絶えず敏感に感じとる「手のかからないいい子」が増えています。

聞き分けはいい、なんでも自分からする、積極的にお手伝いをするなど、それができない子を持つ親御さんからすると羨ましいかぎりでしょう。

しかし、そんな「いい子」の親御さんは、
「こんなに手がかからなくて大丈夫だろうか?」
と不安な気持ちを持っています。

このタイプの子は、いちど「いい子」になってしまうと、その殻を破ることができません。
「そんなにしっかりしなくていいだよ。」
「もっと甘えていいんだよ。」
「もっとわがまま言えばいいだよ。」
と言っても、どうしていいかがわからず、結局「いい子」のままです。

ではそんな「いい子」にはどうすればいいか。
それは「失敗をほめる。」というのが一つの方法です。

当人は親の期待に応えるために、自分の能力の100%以上頑張っています。
それは大変なことで、どうしても精神的に疲れてしまいます。

ところがそんな子でもたまには失敗をしてしまいます。
がんばれない時があります。
そんな時、それを積極的にほめてあげます。

「あなたも失敗することがあるんだね。そういうところが人間らしくていいね!」
「頑張ってる時もいいけど、失敗しちゃった時も好きだよ!」
と言うのです。

そうすると、いい子でいなきゃ、頑張らなきゃ、と思っていた緊張感が解け、ホッとした表情に変わります。

「いい子じゃいなければ、ここにいられない。」
と思っていたのが、
「いい子じゃなくても、ここにいていいんだ!」
と思えるようになります。
これが自己肯定感なのです。

自己主張が増え、多少わがままな部分も出てくるかもしれませんが、こうなれば安心です。
あまりいい子になりすぎていて、過剰適応が心配される時はこのような方法もあることを知っておいて下さい。

「ありがとう」は最高のほめ言葉!

最も簡単で、最も有効なほめ言葉は「ありがとう」です。
ありがとうは、お礼の言葉であると同時に、最高のほめ言葉です。

私たちが普段の生活の中で、「ありがとう」と人から言われてうれしいのは、何かお礼の言葉を言ってもらったからではありません。

「自分の行ったことが、人の役に立った。」
「自分の存在に意義があった。」
ということを確認できたからうれしいのです。

これは、人間にとって自己肯定感を育てるためにとても重要なことです。

思春期の子どもは、ちょっとほめても「ふん」という感じですし、「別にほめられたくないよ!」という子もいます。

しかし、そんな子の心にも響く言葉、それが「ありがとう」です。

ちょっとしたことでかまいません。
日常生活の中でほんの些細なことでいいんです。
落ちたものを拾ってくれた、そんなことでも「ありがとう」と伝えることで自己肯定感が育まれていきます。

「自分も人の役に立てる。」
「自分も必要とされているんだ。」
と思えることが心の成長の基礎となり、勉強に意欲的に取り組んだり、社会のルールを積極的に守っていくようになります。

「自分は大切な人間なんだ。」
と気づきはじめて、他人も大切にする心が芽生えてくるのです。

子育ての日々の中、ほめ方を思い出して!

子どものほめ方のポイントをいくつか紹介してきました。
すべてを今すぐはじめるのは難しいかもしれません。

少しづつでいいのです。
これらのポイントを記憶していただき、気づいた時に思い出して実行してみて下さい。

さあ子どもをほめる宝探しの旅に出ましょう!

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