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リビングで勉強をする子は成績が良い
「東大に行く子は、子供のころリビングで勉強していた。」
「子ども部屋で勉強するより、リビングで勉強した方が成績は上がる。」
このようなことが一時期話題になったこともあり、今はリビングで勉強させている家庭も多いようです。
なぜリビングで勉強をすると成績が上がるのでしょうか?
親子の心理的な安心感が相乗効果に!
それは、勉強の場所が生み出す効果というよりも、親子の心理的な要因が勉強の効果を上げているようです。
- 親が近くにいるので子どもは安心して勉強できる
- 子どもが勉強している姿を見ることで親が安心する
親子がともに安心して勉強に取りくめることによって生まれる相乗効果なのです。
子どもからすれば、
- わからないことはすぐに聞ける
- できたらすぐにほめてもらえる
勉強が嫌になったときに声をかけてくれる相手(親)がいる
このようなこともリビングで勉強することの利点です。
親が近くにいるから、すぐにほめてもらえる!
また、小さな子どもの多くは
「お母さんにほめてもられるから。」
という理由で勉強します。
両親が近くにいるリビングで勉強した方が、すぐにほめてもらえることができます。
親からすれば、
「勉強は自分のためにするもの。」
と認識されているかもしれませんが、自分のために勉強するようになるのは思春期以降で、早くても小学校高学年くらいからです。
それまでは、子どもは
- 親にほめてもらえるから
- 先生にほめられるから
という発想で勉強をしています。
それを元に考えるとき、子どもを勉強好きにするための方法が見えてきます。
それは、
「お子さんのとなりに座って、一緒に勉強をすること」
なのです。
大好きな親がとなりにいて、
「よくできたね!」
「がんばったね!」
とほめられることは、子どもにとってこの上ない喜びなのです。
「はじめ」と「終わり」だけでも大丈夫
先述したように、リビングで勉強をすることの一番の利点は「安心」です。
小さな子どもにとって、親は安心安全の象徴です。
親がいれば安心、親がいれば安全なのです。
安心して勉強に取りくめるようにするためには、親がとなりにいてもらえる以上のことはありません。
何もしなくても、親がとなりに座ってニコニコしているだけで、子どもにとってはずいぶん心強いのです。
でも、もしかしたらあなたの場合は
「忙しくて一緒にやってあげられない。」
「ずっと、となりに座っているなんてムリ。」
と思われるかもしれません。
そういう場合は、「はじまるりと終わり」だけでもいいのです。
「じゃあ、一緒に勉強しよう!」
と言って、お子さんのとなりに座り、勉強をはじめてからある程度自分で進められるようになってきたら、
「ちょっとお母さん、晩御飯の支度をしてくるから台所にいるからね。わからないことがあったら声をかけてね。」
そう言って、席をはなれます。
お子さんから、
「ここがわからない。」
「教えて!」
と言われたら、再びとなりに座って教える方がより良いのですが、基本的には離れたままでかまいません。
そして勉強が終わったときに、もう一度となりに座って、
「よくがんばったね。」
「頑張って勉強しているところを見ていると、お母さんうれしいよ!」
とねぎらいの声をかけてあげましょう。
心理的な作用が勉強効果を上げる!
「はじまるりと終わり」に座るだけでも、子どもの安心感は向上します。
これは心理学では初頭効果(しょとうこうか)と新近効果(しんきんこうか)といわれています。
初頭効果は、物事の最初が人の印象に残りやすい現象のことで、親近効果は、最後の物事が人の印象に残りやすい現象のことです。
この両方の効果を生かして、勉強の「はじまりと終わり」だけでも、となりに座っていたら子どもは、
「お母さんと一緒に勉強した。」
という印象を持ちます。
そうすると、リビングでただ勉強するだけよりも安心感が増しリラックスできるので、勉強の効果も上がります。
そして子どもは次のステップへ!
子どもは安全安心が確保されたら、次の一歩を踏み出します。
親と一緒の勉強ではもの足りなくなり、一人で勉強をしたくなるのです。
最初はリビングで勉強をしていた子どもも、学年が上がるにつれて徐々に自分の部屋で勉強をはじめます。
子どもに理由を聞いてみると、
「自分の部屋の方が集中できるから。」
「自分の机の方が教科書もあるし、わからない時に自分で調べることができるから。」
という答えが返ってきます。
子どもは、親と一緒に勉強をできる安全安心の場所があれば、少しずつひとりで勉強をするようになり、親から自立して自分だけの勉強場所を持つようになります。
そのためには、まずお子さんのとなりに座り、安心して勉強ができる環境をつくってあげることが第一歩なのです。